親権とは、父母が未成年の子を監督保護し、子の財産の管理を行う、親の権利・義務をいいます。
婚姻中は父母が共同して行うことになっています。
しかし、離婚となれば、父母のどちらかを親権者として定めなければなりません(離婚と親権はセットです。)。
この時、親権の争いが生じます。
親権の判断は、さまざまな事情を総合的に考慮して判断されます。
これまでの子育ての実績、収入、生活環境、子との結びつきの強さ、親の親族が子育てを手伝ってくれる
環境があるかどうか、面会交流の際に親権を得られなかった親に子を会わせる意思があるかなどの両親の事情、
子がどちらの親に親権を持ってほしいか、兄弟姉妹の親権を分けないようにする、子の年齢、子の環境の変化
(転校しなければならないなど)の子の事情などが考えられます。
これらのうち、母性優性の原則(母親が優先される)、兄弟不分離の原則(兄弟姉妹の親権をばらばらに
しない)、子の意思、現状維持の原則(現在の状況とあまり変わらないようにする)の4つが大きく影響する
といわれております。
よく、「妻は専業主婦なので、収入のある私(夫)と生活する方が子どもは幸せだ」と主張する方がいますが、
このような場合は、養育費を支払ってもらうことでお金の問題は解決するため、あまり効果的な主張には
なりません。
結局は、子にとって父母のどちらと生活していくことが幸せか子のためになるかという観点から
の判断がなされています。
親権が一度決まると、その後やっぱり親権を取得したいとなっても親権者変更の手続きは簡単ではありません。
子の親権の判断については上記のとおり様々な事情を総合考慮しますので、調停や裁判においては、
漏れなく的確に親権者として適格性があることを主張していくことが大切になります。
親権で少しでも有利に進めたい方は弁護士にご相談ください。